Classical Muddley

Season theme -2013SS- Classic Muddley

1970年、作曲家Gavin Bryars(ギャヴィン・ブライアーズ)がイギリス、ポーツマス美術学校で学生を集めて結成された世界最悪の交響楽団があった。その名は「THE PORTSMOUTH SINFONIA」(ポーツマス・シンフォニア)。音楽家でない者、または音楽家であっても演奏をしたことのない楽器で演奏するという通常では考えられない入団条件で構成されたメンバー。彼らはロック界の異端児、Brian Eno(ブライアン•イーノ)のプロデュースによって世に広まる彼らは楽器が弾けない素人集団であるゆえ音がはずれる。音が出ない。音の大きさが不揃い。キメできまらない。すなわち、クラシック音楽対しての“予定調和の脱却”彼らの演奏は、旧態依然たる秩序に対し多角的な要素でこれまでの暗黙的ルールを壊していった。そして、彼らのシリアスで必死な気持ち、真剣で真っ直ぐな演奏が徐々に聴く者の心を引きつけ、大きな勇気と強い感動を与える。この前衛的な活動は社会現象にもなり、今でも尚、その名を残している。そして気づく。私たちがいかに暗黙の了解的なルールの中に身を投じているかということ。過去において当たり前とされていたことが現代の正解ではないということ。つまり、「本当に今ある日常が最上なのか?」というメッセージ。そして誰しもが持つPortsmouth Shinfonism。何事にも真摯に取り組むからこそ、生まれる偶然という名の必然性と化学反応。上手い下手だけでは語れない、人間の持つ素晴らしさがここにはある。日々の中でも自分の視点を意識して行動することで、少しでも革新的なことができるはずだと信じている。

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