COLUMN

音を着る

服を着るかのように

音もまた

着る感覚に陥ることがある

音の流れる空間で

ひとつそれに集中する

やがて

少しずつその音に引き込まれていき

音のひとつひとつが聞こえてきたかと思うと

それらは身体にまとわりつき

そして毛穴からひとつずつ入っていく

この瞬間がまさにそれだ

体中を何か一枚の薄い布で覆ったような

まるで

音を着ているかのような

そういう感覚

機会があれば

一度音のひとつひとつに

集中してみてはいかがだろうか

Enharmonic