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時は1970~1980前半、イギリスでは[パブロック]と言われる、 カウンターカルチャーを表現したジャンルが生まれていた。 その名の通り、街中の小さなパブで地道に演奏活動をし、 小金を稼いでいたバンドが無数存在。

パブロック、実はあるひとつの事件がこのムーブメントの引き金となる。 それが、ニック ロウ率いるブリンズリー シュウォーツが ニューヨークのフィルモアで起こした大失敗劇、[フィルモアハイプ]。

アメリカ、ニューヨークのフィルモアでライヴを大々的に行い、 イギリスのあらゆるジャーナリストたちを会場に送り込み、 その記事と評判により一気に人気バンドへ。 さらに高額でレコード会社との契約を得て、 全ての経費を回収してしまおうという大胆なアイデア。

しかし、彼らを乗せたフライトには幾多のトラブルが発生、 やっとのことで会場に着くも、肝心のブリンズリー・シュウォーツが未熟さゆえ、 酷評となってしまう。

この失敗劇に残ったものは多額の負債。 この返済のために行われたパブでのドサまわりライヴが、このジャンルの礎となっていく。

BIGバンドのステージとは天と地ほど違う、決して環境に恵まれてはいない彼ら。 その彼らの存在こそが、当時の商業主義となったロック産業に対するアンチテーゼの象徴。 そして、パンクへの橋渡し役となったのである。

Enharmonic TAVERNでは、この[フィルモアハイプ]に掛けて現代の合理化された 商業主義に対してのアンチテーゼを表現。

また、逆境の中でも自らの行動を通して前向きに変えていこうとする 人間のひたむきさに思いを馳せたコレクションを発表する。