COLUMN

音を着る

服を着るかのように

音もまた

着る感覚に陥ることがある

音の流れる空間で

ひとつそれに集中する

やがて

少しずつその音に引き込まれていき

音のひとつひとつが聞こえてきたかと思うと

それらは身体にまとわりつき

そして毛穴からひとつずつ入っていく

この瞬間がまさにそれだ

体中を何か一枚の薄い布で覆ったような

まるで

音を着ているかのような

そういう感覚

機会があれば

一度音のひとつひとつに

集中してみてはいかがだろうか

Enharmonic

知識から意識へ

サービス産業から感動産業へと時代が移り変わっている

知識を使う時代は終わった

自分とは意識である

時には思考を外してみる

思考が外れた時に、心がふれる物にこそ魅力されてしまう 感動してしまう

ファッションにも無条件に人を感動させたり、魅了したりする力がある

今、すでにここにある
僕らの全てをコレクションを通して発表し続けていこうと思う

Enharmonic

有人

今や街中には無人のコインパーキングが溢れている

使い勝手は良いのだが 精算機は自動販売機と同様に千円札までしか利用できない場合が多い

駐車料金のためにわざわざ周辺のコンビニなどでお金を崩すこともしばしばである

先日 新居の合鍵を作りにスーパーマーケットへ行った

そのスーパーの駐車場は無人ではなく 守衛さんが管理している

入る際に入庫日時の書かれた紙を手渡され 出庫の際に買い物レシートを見せ 2000円以上買い物をすれば無料 でなければ時間制で有料となる

念のため 守衛さんに鍵屋さんはありますか?と尋ねた

もし鍵屋がなかった場合 駐車しただけで料金を払わなければならないのは馬鹿らしい

初老の守衛さんは ちょっと待ってくださいね…と言い 事務所に電話で確認をして

安心して駐車し 店内の合鍵屋へ行く

合鍵屋に新居の鍵を見せると このタイプの鍵はメーカーでないと完全なコピーは作れず うちではお断りしていますと言う

仕方なく食料品売り場で2000円分の買い物をして店を出る

駐車場を出る際に さっきの守衛さんから大丈夫でしたか?と聞かれる

うちのが合鍵を作れないタイプの鍵だったみたいで…と言い買い物のレシートを渡す

「そうですか。えっでも買い物をしてくださったんですか?」と申し訳なさそうに守衛さん

合鍵を作れなかったのなら無料で通してくれようとしていたようだ

当たり前のことのようだけど 無人のコインパーキングではそんな融通はきかない

人と人が顔を合わせ 手と手で受け渡すコミュニケーションの大切さを思う



Enharmonic

Choice is yours

身体に馴染んで

自分の一部となる。

他の例に漏れず

服にも同じことが言える。

デニムなど味の出るものは

それが顕著に表れるが

単純に

自分に似合わない色や

形なども

自分のモノになった瞬間を

感じる時がある。


ファッションを楽しむ上で

昔から云われること。

それは

どちらを購入するか迷った時には

似合わない方を選ぶ。

ということ。


これはとても勇気がいる行為ではあるが

そうすることで

どうすれば似合うのか?

というコーディネートを考える。

色合わせはもちろん
素材

シルエット
年代
小物使い
など

沢山の組み合わせが

新しい自分に出会わせ

自分の一部となってゆく。

オシャレな人は案外

若い頃にそんな冒険を沢山しているものだ。


毎回は無理だとしても

何回かに一度は

そんな冒険をしてみるのも

良いのではないだろうが?

Enharmonic


オシャレトイウフィルターをトオシテ

オシャレであるということは大事なことだ

ファッションにかかわる人たちの多くは

オシャレという言葉で片付けられるほど

一般的な人たちとは外観が異なる

その大きな違いは

自分の何かを

自分というフィルターを通して

表現しようとしているか否かということなのではないだろうか

ファッションにかかわる人を通すことで

様々なことががオシャレと感じれるようになっているのが今の時代だと感じる

オシャレな人が住む部屋の紹介

オシャレな人がお勧めするレストラン

そうすることで人々に影響を与え

それを見た人々の

暮らしの中の生活

暮らしの中の食事など

そういうことすべてのオシャレになっていいき

人々の意識レベルも上がっていく


オシャレであることは人を変えることが出来るパワーを持っている

オシャレであるということは大事なことだ


Emharmonic

What is a gold medal for you?

ロンドンでは現在

オリンピックが開催され

世界中で盛り上がりを見せていることだろう。

今回のオリンピックでの日本は

特に団体戦での健闘が目に付く。

個々で体格や筋力では劣っていても

組織として

沢山の競技で

互角以上の戦いをしている。

そんな団体戦の裏には

時に自分を犠牲にし

チームの為に

献身的にプレイする姿を見ることができる。

スポーツに限ったことではなく

自分以外の

何かの為に

真剣に行動する姿は

美しく

沢山の人の心を摑んでゆく。

チームを社会として考えると

社会に貢献するということの意味が

自ずと見えてくる。

社会の中に身を置くということは

自分以外の誰かの為に行動するということ。

特に誰もやらない

やりたがらないコトを。

その行動こそが

自分のポテンシャル以上の力を発揮し

人の心を動かし

周りを巻き込み

結果

大きな成果を成し遂げるように思う。

TAVERNにとってのメダルとは何なのかは分からないが

1人でも多くの人たちと分かち合えるものでありたい。

Enharmonic

panama

夏のハットの定番であるパナマハット

パナマハットとは

トキヤ草を加工し紐にしたもので編まれた帽子のことで

その昔

パナマ運河で働く建築労働者が

日差しから頭皮を守るために着用されていたことから

パナマハットと呼ばれるようになった

そして

1830年頃

当時のアメリカ大統領であったルーズヴェルトが

パナマ運河を渡った際に被っていたことから

一般に広まっていったという


このパナマハット

編む紐の細さにもよってくるのだが

中を見るとそのクオリティが一目瞭然で

中心にある円が何週しているかで

そのクオリティが見分けられる

一般的なもので10本前後

ハイクオリティなものになると

30本を上回るものもある

もし

パナマハットを見る機会があれば

そこを注目し

自分自身で

そういうクオリティを見分ける目をもつのも

いいのでわないだろうか


Enharmonic

White shirt

ワイシャツを Yシャツ と表記するのは

誤りである。

更には

赤いワイシャツ というような使い方もまた

誤りである。

これは日本特有の呼び名であり

White shirt(白いシャツ) の訛りから

ワイシャツとなった。

そしてシャツの下にTシャツを着るのも

歴史から見れば

誤りなのだ。

シャツは本来

下着としての役割りであり

裾の前後のカーブと前立ての

1番下に付いた釦は

ブリーフなどの代わりに

股をぐるりと覆って留めていた

名残りである。

シャツ一枚で着ることは

湿度の高い日本では難しいかもしれないが

素材も進化し

汗染みが目立たなかったり

速乾性に優れていたり

機能を満たしたモノもある。

たまには歴史に添った着方で

オシャレをしてみるのも

良いのではないだろうか。

Enharmonic


パターンというもの

洋服を造る工程のひとつ

型紙(洋服の製図)を造るということ

これをパターンメイキング

通称パターンという

これもまた洋服を造る上でとても重要なこと

洋服のシルエットのすべてはここから生み出され

着心地のすべてはここから創り出される

これはそれぞれ好みがハッキリと出やすいため

ブランドによってそれぞれ異なる特徴を持っている

単純に

着心地が良いとか

シルエットが良いということの裏には

そういった理由もあるのだ

Enharmonic

going back to roots

メンズの代名詞的コートといえば

トレンチコートだろう。

現代ではスタイルを問わず

ポピュラーなコートであるが

今でも軍服としてのディテールを多く残す。

右肩に付いたガンフラップは

同時に風の侵入も防いでくれる。

首元の風除けのチンストラップ。

ベルトに付くDカンは手榴弾を引っ掛けるためのものである。

取り上げたらキリがないが

そんなトレンチコートは

アルスターコートが原型とされ

アルスターコートは

ポロコートから派生し

ポロコートは

オーバーコート

チェスターフィールド

ピークドラペルのダブルブレストと

英国の歴史とともに遡ることが出来る。

勿論それぞれのコートには

それぞれの用途に応じた

ディテールがみられる。

何を基準として

「良いもの」

とするかもあるが

やはり

「真に良いもの」は

受け継がれてゆく。

歴史は数珠つなぎ。

次世代に繋ぐ為にも

己のルーツを探るのもよいのではないだろうか。

Enharmonic